「見えない敵〜美しい少女の声〜」

今日もオレの仲間が約100人殺された。しかし、誰に殺されたのか、何で殺されたのか、そしていったい凶器は何だったのか。何もかもが解らない。そもそも、もう何年もひきこもっているてめえに仲間が100人いるっておかしくないか。いないに決まっている…

「真羊せんせのカウンセリング」

平日の昼間から図書館に行った。僕は何か面白そうな本がないか見てまわっていると、急に声をかけられた。 「ちょっと、ちょっと」 心臓が止まるかと思うほどドキッとした。みると、ちょっとちょっとと手をブンブンして目を輝かせている女性がいた。年は結構…

「風の通り道」

「風の通り道」 風道(かぜみち)は貧乏でした。しかも無職でした。さらに泥棒でした。 今日もいつものように、ねらいを定めた誰もいないであろう家に、忍び込もうとしています。 三角屋根の落ち着いた茶色のモダンな家。洋風の模様がはいったドアから、夫が…